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夏をおいかけて

September 08, 2006

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9月の1日から4日まで、小さな旅をした。
夏の思い出。
これはまさに小さな夏の思い出だ。
そして最高の思い出。

バイクではなくて。おんぼろVWバスに5人+楽器満載、名古屋経由で四国は香川に向けて。友人宅と温泉宿を渡り歩いた3泊4日、ROCKの旅。
HBJ主催ラヴピーロックinナゴヤで一発、さぬきバイカーズミーティングで一発。肩書きのないイケダシン率いるラヴピーバンド初のライヴツアー!

お盆が終わった東京には、早くも秋の気配があって。
故郷沖縄に帰省した妻は、今ごろたっぷり陽焼けしているんだろうな。
LPRで横手山から戻ってからというもの、おれはといえば夏らしいことなど何ひとつせず、ばたばたと仕事に追いまくられっぱなしの日々。

それはそれで楽しくもあり。
でもね、やっぱりね。夏だから。この夏は一度きりだから。
そしておれらは南へ向かった。
空冷フラット4のおんぼろバスにギター3台。あらためて言葉にしてみると、アメリカの青春ストーリーみたいだ。

そう、夏をおいかけて。


ビートルは世界の若者にとって教科書のようなクルマだ。
愛すべきデザイン。堅牢にして安価、ハーレー並みにシンプルなフラット4はガレージビルドに最適のメカニズム。おれは2台乗った。
最初のは8万、もう一台はもらって事故って廃車。トータル2年くらいは乗ったかもしれない。1200のスタンダードが一番好きで、ばたばたと吹けるあの感触、あれは本当に悪くない。長い廊下をタタタッと雑巾がけしているような気分になる。
アルゼンチンのブエノスアイレスから南米大陸最南端まで、一緒に走ったのもビートルだった。
ちなみにうちの親父は20年で3台乗り継ぎ、去年の暮れニュービートルに乗り換えた。
なんか縁があるんだよな。これは縁としかいいようがない。

そしてはじめてのバスの旅。VW BUSといえばフラワーチルドレンを象徴するヒッピーカーだし。嗚呼ジャニス!
そんな可愛いやつでおれらはトウキョウに背を向けた。

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夏をおいかけて2

September 10, 2006

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 おんぼろなんて言ってごめんよガッツ。HBJでもお馴染みガッツはシンガー&ギタリストで、フラットヘッドのチョッパーに乗る、このバスのオーナー。昨年から今年にかけて「バイクでめぐる弾き語りの旅」なんてロマンチックなツアーをやっていて、ベビーツインのチョッパーで何千キロか唄いながら旅を続けた体重0.1tのミュージシャン。そしてラヴピーバンドのドラマー。
「でもさ、けっこうツラいんだよね、まじで。どんなことをしてでも絶対会場に着かなきゃいけないんだから。その上離れた場所で3夜連チャンだったりするとかなりハード。雨でも行かなきゃなんないしさ。さすがに疲れた」
 そりゃそうでしョ。でもそれはまるで夢のような出来事さ。そう言えば昔、川島英五がカワサキにギターを括りつけてライブを回ってるっていう記事を何かで読んだ。ロマンだ。夢とロマン。このVWバスのライブツアーだってそう。おれたちは夢とロマンの中にいる。楽しいってこういうことでしょ。

 そもそもラヴピーバンドとは、ラヴ&ピース&ライドで演るために始まった。
 1999年。第2回のラヴピー前にハワイのパーカッション奏者、ヒューバートとたまたま知り合って意気投合し、山に遊びに来ると言う。アコースティックギターで唄う相棒のリックも来日中、それなら演奏しようということになった。
 工事現場の足場を組む単管とクランプにコンパネでステージを急遽こしらえ、結局それは嵐で使えなかったけど、ヒュッテのホールで繰り広げられた彼ら「シンプルイナフ」のライヴは最高に盛り上がって、撤収を終えて東京に戻った3日後におれはアコースティックギターを買ったのだった。中学入学のお祝いに買ってもらったモーリスのフォークギター以来の。へぇ、あれからもう7年たったんだ。

 バスに乗り込んだ五人のメンバーは。
 ヴォーカリストよりも(はるかに。とほほ)歌のうまいドラマー、ガッツとその彼女リサ。
 ギターヴォーカルイケダシンとその妻美和。
 ベース齋藤ユージ 。メンバー変遷を重ねたラヴピーバンド、だけどユージとは6年の付き合い。
 ぷちあいのり風ラヴワゴンは東名高速を西へ。曇り、時折雨。バイクならちょっと憂鬱な空模様。しかし名古屋に入ると時折晴れ間が顔を出した。


↓写真左から/やばトンにてみそかつ食するガッツ/腹を出すヴォーカリスト、呆れる妻、ベース齋藤ユージ/名古屋ハートランドにてリハするガッツ
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tuduku

夏をおいかけて3

September 14, 2006

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名古屋、栄のハートランドスタジオ。入り口にはハーレーがぽつぽつ並びはじめる。
ラヴピーロックin名古屋、19:00ほぼオンタイムでスタート。
サザンロック友の会、岸田邦雄、そしてガッツ、ラヴピーバンド。ヒストリックサイクルギャラリーのクレイジーな店主Mr.中野率いるHISTORIXの壮絶プレイで終演時間をはるかにオーバーして無事終了。チョイ悪変人オヤジ続出のステージはちょっと不思議な雰囲気で楽しかった。観客数推定100人。この夜はMr.中野宅合宿所にて一宿一飯。

↓左より岸田邦雄大兄/HISTRIX/ラヴピーバンド。オヤジ3連発。
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翌朝は快晴。真っ青な空からジリジリと陽が注ぐ。夏だぜ、夏が帰ってきた。
VWバスで一路目指すは四国。大阪〜神戸を抜けて明石海峡大橋を渡る。淡路島へ。海の青にも夏の匂い。
バスに積まれている空冷フラット4は2リッターのツインキャブ仕様。ヤレた外観に対してエンジンはすこぶる元気。五人+荷物たっぷりをものともせずにひた走る。
鳴門大橋を越えて四国へ。そういえば会場はどこだっけ。誰も知らない。
運転するガッツのとなりでリサがおもむろにマックを開く。PHSでオンラインして検索、まもなく場所が判明する。すばらしい時代だ。ひと昔前ならSF。でもおんぼろバスのベンチシートにマッキントッシュがなんだか似合っていて不思議だった。

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tuduku

夏をおいかけて4

September 29, 2006

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「こんぴら」から名称変更、さぬきバイカーズミーティングは昨年に次いで快晴。河川敷の広場は四国の夏の陽射しに溢れていた。
主催のフジシマさん(高松オートグラフィックフジシマ店主)とは古い付き合いで、それはどれくらい古いかというと、たぶん初めて知り合ったのは15年ほど前だと思う。
ハーレー屋店主は「このヒト昔は手がつけられない不良だったんだろうなぁ」と感じるいかつい男が多い。フジシマさんもそんな男だ。四国の男。四国にはごっつい男が特に多い。でもその手の男たちはじつは例外なくやさしくて、兄貴分だったりする。
広い草原にはテントの花が咲き乱れ、たくさんのオートバイがこれでもかとクロームを輝かせていた。何十件ものショップが軒を列ねたエリアを散策。そして2発目のライブ。来場者数にくらべれば観客は少ないけど、ステージ前で熱狂的に暴れる酔っ払い男たちは昨年も見た顔。
自分でいうのもナンだけど、ラヴピーバンド、なかなかいいバンドになったと思う。オリジナル曲も増えて、独自のノリ、つまりオリジナリティが出てきた。ユージとガッツともステージを重ねてグルーブを感じるし。

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中学以来のアコースティックギターを弾き出して、早7年。ようやくイメージする世界と現実のプレイがつながってきた気がする。ももクリ3年柿8年。継続こそがなにかを生み出す唯一のチカラなのだと実感する次第。
好きこそものの上手なれ。楽しいことを続けていれば、それはすこしづつ広がっていく。バイクだって音楽だって、一緒だ。

5曲30分の爆走ステージ。特にユージがぶち切れてベースソロを弾きまくり。
ユージはチコチェアというバンドでエピックからデビューするも、シングル二曲で契約を切られて、バイトをしながら音楽を続けている。ライブが終わってぽつりと言った。
「いやぁ楽しかった。メジャーは制約ばっかりで、好きなことなんてほとんどできなかったからね。久々に好き放題やっちゃった。だいじょうぶだったかな?」
大丈夫、あたりまえさ。かなりcoolだったぜ。これからも思いっきり暴れよう。やりたいことをやりたいだけやって、目一杯ROCKで生きていこうぜ。

たった一度の人生なんだからな。

tuduku
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夏をおいかけて/完

October 03, 2006

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音楽って、楽しいな。
バイクじゃない、仲間と一緒のバスの旅。おれはこの旅でつくづくそう思った。
バンドは楽しい。聞いてくれるヒトがいればなお楽しい。そんな音楽の旅だった。

一期一会。
人と出会って、再開して、いくつかの言葉を交わし、また会おうと別れを告げる。
それが旅だ。
バイクを通じて、音楽を通じて、旅を通じて出会いと別れをくり返す。
それが人生だ。
毎年めぐり来る夏。しかし今年の夏は、逝ってしまったあの夏は一度きりで、
あぁ僕はあといくつの夏と出会えるだろう。

あの夏をおいかけて
青春の残り火をおいかけて
届きそうで届かない夢をおいかけて
走り続けられたらいい

楽しい時ばかりは続かない
黒い雨雲が空を覆うように
辛い時には終わりがある
雨上がりに輝く虹のように
進んだり、休んだり、止まったり、また進んだり
この道を走り続ければ
おれたちはかならずたどりつく

走り続ければ
走り続ければ
この道を走り続ければ

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fin
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