70年代後半、ロスアンゼルスの日本人駐在員の引っ越し屋さんでアルバイトをしていたボクの仕事は、夜逃げの様な古いトラックで全米を周る運転手です。
アメリカのどこへ行っても必ず有るトラックストップはドライバーがめしを食ったり仮眠をする場所で憩いのオアシス(死語)です。どこのストップも大好きなアメリカのモーテルと同じ匂いがしてボクは素通り出来ません。巨大なトレーラー達が集まるレストランにはたいていケツのでかいローカルのおばさんがウエイトレスをしています、チップをもらう為なのか彼女達の上手なお愛想と年甲斐も無い厚化粧には見とれしまいます。メニューには必ずハッピーアワー(時間限定割引)やコンボイプレート(ビックマックのでかい奴)やアイオープナー(ただのでかいオレンジジュース)があるんだけど、食べたらあれは余計眠くなるでしょうね。アメリカのバイカーはリジットフレームに直づけシートのチョッパーをEye opener(アイオープナー)とも呼びます、なるほど目が覚めますね。お土産屋の外でインディアンがござを敷いてインディアンジュエリーを売っていますが、店を閉めるとジーパンとTシャツに着替えてBMWで帰って行きますから気をつけましょう。
知らない奴が”Twenty bucks men” 『トエニーバックス メン』とつぶやきながら近づいて来ます。なんですかとアゴを上にあげると向こうもアゴをクイッと上げますから意思の疎通を謀りましょう。うなずいてはいけません、最初からごめんなさいしてしまったら買う方の身分が低くなってしまい取引に不利ですからこう言いましょう、
Let me see men ,10bucks men
(見せろよ、10ドルにしろよ)。港みなとに女が居るマドロスのように、トラックドライバーの港はこの砂漠のレストエーリアです、色々な取引があっていろんな奴が居て目がはなせません。なぜか昔(私が知ってる結構むかし)から今現在でも、アメリカ人はドルの事をバックスと言います。ストリートでは10ドルはテンバックスと言い1,000ドルをワングラン、2,000だとツーグラン、$10,000TenGrandテングランは一万ドルです。キラーディール(うまい話)やモーターサイクルの売り買いにも良く用いられますから要注意、何かやましい品物を売り買いするときに当事者間で使われる事が多いスラングです。
殆どの取引は金額とアゴの動きだけで行われます、他に言葉はいりません彼は何度もこう呟いてアゴを上げましたTwenty bucks men!!!(20ドルだぜー)
月日は百代の過客にして行きふ年も又旅人です、10ドルなら買うよって言ってしまいました。見るとコロンビアです、茶色くてリーフばかり...咳き込んで喉が痛い痛い、観た目は焙じ茶....こりゃあ漢方薬か!
たとえ心がシルクロードしてもトラックストップでマリワナを買ってはイケマセンね反省しました